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続きの続きです。 第三週・12月14日 外は雪がちらついている。期末テストも終わり、裕樹はバイトに精を出していた。 そこにまた、コート姿の綾女が来店した。やはり視線を合わせては貰えない。裕樹は軽い落胆とともに彼女の動きを目で追った。アイスクリームのコーナーでチョコミント味のアイスを手に取り、レジに近づいてくる綾女。だがそこで異変が起こった。スマートフォンを見ながら入店してきたサラリーマン男性と綾女がぶつかってしまったのだ。ガチャン、と音を立てて男性の手からスマートフォンが落ち、液晶面が割れてしまった。サラリーマン男性は酔っているのか、どうしてくれるんだ、弁償しろ、と綾女に絡み始める。美佳絵が気づくよりも早く、裕樹はレジを飛び出していた。 裕樹は綾女を押しのけ、サラリーマン男性に頭を下げた。お店で起こった事は店員である自分の責任だ、と。サラリーマン男性の怒りは治まらない。裕樹は土下座した。自分の給料から弁償する、彼女は悪くありませんと裕樹はサラリーマン男性に謝罪を続ける。驚く綾女。ここはいいから。裕樹は綾女に言った。早く行け。 美佳絵も驚いて裕樹を見つめていたが、慌ててサラリーマン男性に近寄り、思い切り甘い猫なで声で、自分が責任者ですのでご相談させて頂きます、さぁさ奥へ、と促した。サラリーマン男性は美佳絵の様子に興味をそそられたのか、ほいほいと奥へついていく。 奥で何かが壊れる派手な音が聞こえる中、裕樹と綾女は残された。何も言えないでいる綾女の前で裕樹は立ち上がり、気つけて、とだけ言い、レジに戻った。 その背後で、ありがとう、という小さな声が聞こえ、綾女が立ち去る気配があった。奥から両手をぱんぱんと叩きながら美佳絵が出てきて、裕樹を見つめる。助かったよ、と礼を言う裕樹に美佳絵は、やるじゃん、と笑みを見せた。 バイトを終え、自室で裕樹は眠れずにいた。 あの時の行動は咄嗟に出たものだったが、彼には似た思い出があった。 小学生の頃、一成とボール遊びをしていた綾女は、ボールを追いかけていて転び、棚に並べられていた鉢植えの鉢を壊してしまった事があった。綾女の泣き声を聞きつけやってきた教師に、一成は自分がやった、と綾女を庇ったのだった。そんな幼い頃の事を、綾女は覚えている筈も無いだろう。何にせよ、彼女をトラブルから救えた事に、裕樹は満足して眠りについた。 第四週・12月16日 夕方。バイトに向かおうとしていた裕樹に、天下台高校の校門前で待っていた里緒菜が声をかけた。先日の件を綾女から聞き、自分からも一言礼を言いたかったのだ、と言う。 裕樹はなんだよ俺に惚れたのかと思った、と冗談を言いその場を立ち去ろうとしたが、里緒菜はバイト先まで、と一緒に歩き始めた。 里緒菜は、綾女が裕樹のような外見の男が苦手な理由を話し始めた。 それは裕樹――一成のあの日の事故にまつわる事だった。 一成を撥ねた車のドライバーは高級車を乗り回していた軟派な男で、携帯電話で話していて前方不注意となり、事故を起こしたのだと言う。子供はどうなったのか、と裕樹は尋ねた。里緒菜は詳しくは知らないけれど、と前置きしてから、一成の体がクッションの役目を果たして、軽症で済んだという事だった。裕樹は思わず良かった、と呟いていた。 綾女はその一件がショックで心を閉ざすようになり、学内でも一層孤立したようだった。そして、軽薄そうに見える男性には嫌悪感を持つようになったのだ。裕樹は綾女を庇い続けてきた里緒菜に、お前も大変だったんだな、と労った。里緒菜は、うちは強いから、と笑う。 野良猫の件を見ていた事を里緒菜は裕樹に伝え、アンタ、思ってたほど悪いやつじゃなさそうだね、と言い、裕樹に小さな紙片を渡すと去っていった。紙片を開くと、それは里緒菜のものであろうメールアドレスだった。 第四週・12月18日 夜、バイト帰りの裕樹は近所の公園で松本を見かける。先日見かけた少女とは違う少女と一緒だ。思わず裕樹は物陰から二人のやり取りを窺った。 少女は必死に、もう許してくれと松本に懇願していた。涙さえ流している。松本はとり合う様子はない。自分と関係を続けるしかないのだ、と松本はスマートフォンを少女に向ける。少女が泣き崩れるのが見えた。関係、ということは松本と少女はつき合っているのだろうか。それでは先日の別の少女は何なのか。そして、松本に思いを寄せる綾女は。 思わず身を乗り出しそうになり物音が立ち、少女ははっとなってこちらを見た。 舌打ちをして同じようにこちらを見た松本の表情は冷淡だった。 裕樹は前に出た。松本が何か、と睨みつけてくる。裕樹は言った。女の子が泣いてるのを見るのが嫌な性分だと。君には関係ない、と言う松本に同調するように、少女も何でもないですから、と弁解する。そう言われては何も返す言葉が無かった。行くぞ、と松本は少女に言い、立ち去っていった。 裕樹は焦った。松本には何か裏があるのは明らかだった。綾女にそれを伝えなくては。 自室に戻った裕樹は、美佳絵を呼んだ。どうせどこかで監視しているだろうと思ったからだ。 案の定ポン、と音がして美佳絵が姿を現した。美佳絵は浮かない顔をしている。裕樹は松本の件を美佳絵に伝えたい、と相談するが美佳絵はそれはできない、と答える。綾女の運命は変えるわけには行かないのだ、と。自分で学んでいくしかない事が地上界にはある。お前、残酷だな、と裕樹は美佳絵に言った。残酷なことをするのはいつも人間だ、と美佳絵は言い、姿を消した。 裕樹は里緒菜から受け取ったメールアドレスをスマートフォンに登録すると、暇があったらコンビニに来てくれ、とメールを送った。 第四週・12月19日 バイト先に私服姿の里緒菜がやってきた。美佳絵にレジを頼むと、裕樹は店の隅に里緒菜を呼んだ。松本の事を里緒菜から綾女に警告してもらおうと思ったのだ。しかしその事に触れようとすると、声が出ない。レジの方を見ると、美佳絵が睨みつけていた。全部お見通しだったのだ。裕樹は咄嗟に言った。本屋で自分が言ったことを覚えているか、と。里緒菜は最初考えていたが、思い出したのか、頷いた。綾女にそれだけ伝えてくれと裕樹は頼み、後は任せたからな、と念を押した。 里緒菜は事情が飲み込めないまま、店を後にした。 第四週・12月21日 二学期の終業式が訪れた。校舎の屋上に、裕樹と美佳絵は居た。どうするの、と美佳絵は問う。 期限は12月24日。クリスマス・イブだ。地上界で言う美佳絵の最上級の上司の誕生日前日でもあり、天界での1日がそろそろ終わろうとしている。彼女は天界に戻らなくてはならない。裕樹の意識を連れて。勝手な事言うなと裕樹は怒る。こんな事なら生き返らなければ良かった、ともらす裕樹。 と、裕樹のスマートフォンにメールの着信があった。里緒菜からだ。メールの内容はすぐに桜花学園高校まで来い、というものだった。里緒菜が知らないうちに、綾女が松本に呼び出されたのだ。 美佳絵は言う。行っても無駄だ、と。それでも裕樹は、急いで桜花学園高校に向かった。 駆けつけた裕樹を待ちかねたように校門で里緒菜が待っていた。 里緒菜は裕樹の言伝から、独自に松本の周辺を調べてみたようだった。松本は読書サークルに所属する女子を誘い、次々にモノにしているフシがあるという。読書サークルの女子は誰も肯定しなかったが、何かを隠している雰囲気だったという里緒菜に、裕樹は夜の公園での一部始終を思い出す。里緒菜は綾女にそれとなく警告をしたのだが、彼女はとり合わなかったのだ。 綾女は校内のどこかにいる筈なのだが、スマートフォンは繋がらず、メールの返信も無いとの事だった。裕樹は図書室を思い出していた。終業式後の図書室なら、まず人気は無い。呼び出すには好都合に違いなかった。里緒菜に聞くと、図書室には居なかったと言う。 二人は手分けして校内を探すことにした。 体育館では部活が行われているから排除できる。理科教室や視聴覚室といった特別教室は呼び出すにはやはり不自然だ。裕樹は里緒菜に、校内であと本がある場所は無いか、とメールした。すぐにメールは返ってきた。桜花学園高校には古い所蔵書物を保存しておく書庫が旧校舎の奥にある、と。そこだ。裕樹は書庫に向かった。 書庫には里緒菜が先に来ていた。鍵が中から掛かっていて入れないという。裕樹は辺りを見回し、 掃除用のモップを見つけた。窓を割って中に入るつもりだった。どうせ自分は別の学校の生徒だから、里緒菜には迷惑はかからない。裕樹――一成は、自分の体に謝った。迷惑を被るとしたら、この体と裕樹の母親だろう。それでも、それをやらずにはおられなかった。 里緒菜に職員室に行って教師を呼んでくるように言い、裕樹はモップを振り上げた。 ガシャン、と派手な音が響き、すりガラスが割れた。裕樹は里緒菜を残して、モップを手に窓を乗り越えた。 黴臭い室内は薄暗く、裕樹が割った窓からサーチライトの如く光が差し込んでいる。 裕樹は綾女の名前を呼んだ。物音が聞こえ、書架の間に松本の姿がちらりと見えた。綾女のすすり泣く声が続いた。松本は驚いたように裕樹の方に向き直った。怯えた表情の綾女が見えた。裕樹は言った。前にも言ったように、自分は女の子が泣いてるのを見るのが嫌な性分だ、と。 裕樹がモップを握り直したその時、いくつかの足音が外から聞こえ、鍵を開ける音がした。里緒菜が教師とともに駆けつけたのだった。 事が事だけに、桜花学園側からは裕樹の行動は不問とされた。里緒菜の尽力もあった。逆に口止めされたぐらいだった。松本がどのように処分されるのかは、裕樹の知ることではなかった。 最終日・12月24日 自室に裕樹は居た。室内のカレンダーには、今日に○がついていた。 それが何故なのか、今の裕樹には分かっていた。その日は、裕樹の母の誕生日だった。 裕樹は押入れからぼろぼろのぬいぐるみを取り出し、眺めた。 そして、アルバイトのシフト前に母親のためにプレゼントを買いに出かけることにした。 町に向かう裕樹の前に、美佳絵が現れる。いいのか、と美佳絵は聞く。いいんだ、と裕樹は答えた。裕樹が出した答えは、何も告げず、天に召されるというものだった。 綾女は寸での所で松本の毒牙にはかからずに済んだが、彼女の心の中を思えば、今はそっとしておく事しか、裕樹には考えられなかった。男性に対して前よりもずっと嫌悪感を持ち、恐怖している事だろう。裕樹は美佳絵に、母親のプレゼントは何が良いか、聞いてみた。 美佳絵は少し寂しげに、自分には最初から母親はいないから、分からない、と答えた。 夜。まるでドラマのように外は雪が降り始めた。 裕樹はコンビニの店先でクリスマス・ケーキの投売りをせっせと行っていた。美佳絵もサンタクロースのコスプレで手伝っている。横ではにゃーにゃーとあの野良猫が鳴いている。 あの、と声が聞こえた。いらっしゃいませ、と顔を上げた裕樹は、そこに真っ白なコートを着た綾女が立っているのを見た。今までの地味なコートではなく、その白いコートは綾女を一層美しく見せていた。 綾女の後ろで、フード付のジャケット姿の里緒菜が手をあげる。 硬い表情の綾女に、裕樹はおどけて言った。 チョコミントのアイスと一緒に、クリスマスケーキはいかがですか? 綾女がぎこちなく笑って、答えた。一緒に食べる人が、いてくれるなら。 気がつくと裕樹――一成は大きな門の前にいた。天国への門だ。 美佳絵ではなく、天使の姿に戻ったミカエラが前に立っている。行こうか、とミカエラは言う。 一成は頷いた。今の一成には、何となく実際の裕樹も、綾女とうまくやってくれそうな気がしていた。 その時、どこからともなく声が聞こえた。それはミカエラの上司、カスティエルだった。 カスティエルはミカエラの今までの行動を全て見ていたと語る。げっとなるミカエラだったが、それがミカエラ自身のテストでもあった事を告げられる。合格点とは言えないが、今日は祝うべき日なので罰は与えないとカスティエルは言う。安堵するミカエラ。そしてカスティエルは一成に言った。一成が裕樹として過ごした1ヶ月の記憶は、裕樹のものとして意識保存機でアップデートされ、地上界で生きる裕樹のものとなるだろう、と。 一成はカスティエルに礼を言った。そして主の恵みがあらんことを、と祈った。 天国への一歩を、一成は踏み出した。 (終わり)
by Gun0826
| 2013-09-02 21:02
| Scenario
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