Twitter
お知らせとかリンクとか
現在、散発的にポストしている状態です。本格運転まで暫くお待ちください。 注意! インフォシークの無料HP スペース消滅に伴い、 旧エントリの一部の画像が 見られなくなります。 ご理解のほど、よろしく お願いいたします。 管理人が適切でないと 思ったTB、コメントは 予告なく削除します。 あしからずご了承ください。 リンク集。 お世話になってます。 - 中華芸能系 - アジアンパラダイス 香港電影迷宮+blog Hong Kong Addict Blog Beauty Lin - お友達系 - のんびりのびのびカメレオン←NEW! 大丁の小噺 ホビーさんブログ アルシオーネ戦記 ろべるともるが 面白ければそれでいい めか沢銃砲店日記 店主665の手記 ミクロの百日間戦争 ゼントラン&マイクロン プラタルジ ミクロで遊ぼっ♪ The Pit どっちかと言わずとも日記。とTF←New! - ホビー情報系 - アソブロック 情報まとめサイト フォロー中のブログ
読書記録゛(どくしょきろぐ) シネマ親父の“日々是妄言” プログ web-tonbori堂ブログ : Keep a dia... GROOVY DIARY 怪獣ブログ かたすみの映画小屋 だら>まい。 Q部ログ 最後の冒険日誌 La Dolcé vita ガラクタ二酸化炭素 ハッピーニャンコ探検隊 Thinkin' Snake プラスチックな友 退屈に見せかけて楽しい日々 Mi cinema log また天かつWarS NINE-SYSTEM 玩ぶろぐ 気まぐれ、暢気で、いい加減!? [Blog] ちいさな窓... afoto foto log 遊慈のEasy Life ヨロシク日記 bakubaku 妄想chronicle Yo joe!! カテゴリ
タグ
よもやま(172)
洋画(163) G.I.JOE(157) ミクロマン(148) その他ホビー(103) 香港映画(68) マーベル(64) 中華女星(49) 女性アクション(42) クールガール(25) MIA(24) アソブロック(23) MRS(23) 欧美女星(22) トランスフォーマー(21) 邦画(21) 装着変身(20) モデルガン(20) Leah Dizon(14) 歩いたり見たり食べたり(13) 最新のトラックバック
以前の記事
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
堕ちていく人を描いた物語が好きだ。 自らを過信し、自らの不甲斐なさを他人のせいにし続け、欲望に負けて堕落 していくどうしようもない暗い魂を描いた物語に強く惹かれる。 恐らく自分の中に、同じものが流れているに違いないからだと最近になって 気づいた。遅いね。 扶桑社ミステリー文庫 740円 ケント・ハリントンは先に同じ扶桑社から出てた「死者の日」が面白くて、 某所の「ノワール小説」スレでも話題にあがってたのだが中々見つけられず、 新宿のジュンク堂で漸く見つけて購入した一冊。 久々に次のページを繰るのももどかしいような気持でのめり込んで読んだ。 カリフォルニアの地方都市。元市長であり街の実力者であった父を持つジミー はみなに将来を嘱望されていたにも関わらず今はうだつの上がらない保険会社 のセールスマンに甘んじている男。自分を慕ってくれる健康的で純粋な娘もい るのに、今彼が夢中になっているのは保険会社の社長夫人・イブとのドラッグ を伴ったSMセックス。彼には明日の展望もない。業績も上げられず毎日をや り過ごし、イブとの逢瀬が続く事だけを望む。そんな堕落しきった日々。 幼い頃からイブはジミーを惑わせ続けた女だ。そればかりかジミーの友達連中、 いまや街の保安官であるテイラー、検事であるオブライエンもみな、彼女とは 「ヤッて」いる間柄。典型的なヴァンプであり、ファム・ファタル。ジミーは 危険だと知りつつもイブとの関係をやめられない。 そんな時、イブが夫殺しを持ちかけてきた。夫が大量の金を隠し持っていると いうのだ・・・。 プロットを読むと典型的なクライム・ノヴェルのスタイル、ケインの「郵便配 達夫はいつも二度ベルをならす」のプロットを踏襲しているのが分かるこの物 語は、冒頭にジム・トンプスンの「残酷な夜」の一節を引用している事からも 分かるように、明確に50年代の犯罪小説への憧憬と愛情を持って書かれている。 ハリントンはタイトルにもあるようにあれよあれよと転落していくジミーの内 面をこれでもかと描写し、まるで作中人物が同化していくような感覚に読む者 を引きずり込む。残酷描写のてらいのなさ、「死者の日」同様テンポがあって 迫力のあるアクション・シーンは分かりきっている結末まで読者を飽きさせな い。 何よりも悪女「イブ」(これも意識的にこの名前なのだろう。ハドリー・チェ イスへのオマージュか)の人物造形が出色。そばにいる男全てを狂わさずにお かないようなその「悪女っぷり」は凄みさえ感じさせる(幼少期のエピが圧巻) そして中盤以降に登場するイブの夫の異母兄の「悪そのもの」であるかのよう な佇まい。全く歯が立たないでいたジミーがいかにして彼の裏をかくのか、そ の辺りも非常にスリリングに読ませる。 物語の落とし所について若干の不満もあるが、ある意味この方が残酷であると も言えるし、それ以上にこの地方都市自体の腐敗っぷりを強烈に印象づける辺 りはまさに「おれたちみんな」とジム・トンプスンが語ったように人間存在そ のものの「悪意」を描き出しているという気もしないでもない。 また強く権威主義の父親のために子ども性をスポイルされてしまったジミーの 心の歪みを非常に丹念に描いており、親子の相克を描く人間ドラマとしても非 常に高密度だ。 ノワールとは元々「漆黒」を意味するフランス語であり前に「ジム・トンプス ン最強読本」で書いたように「セリ・ノワール(黒いシリーズ)」という叢書 にまとめられた事を起源とするカテゴライズだが、まさに人間の暗黒面、弱く てどうしようもない人の存在を描くという意味ではまさにぴったりの名称と言 える。この「転落の道標」も現代ノワールの傑作のひとつと言えると思う。 犯罪小説、毒のある物語が好きな方はぜひ。
by Gun0826
| 2005-07-21 13:31
| Book
|
ファン申請 |
||